今年は、ギャラリエ アンドウの開廊から30年とのことですが、
様ざまなものが移ろい、変転するこの時代に、そのこと自体が大変なことだと思います。
そして私にとっても、およそ30年前といえば、
現在も続けている仕事〈見晴らし台〉の制作を開始したころであり、特別な思いがあります。
その時代は、まだアクリル絵の具による作品が中心でしたが、享楽的な空気の中で、
ほとんどそれらを発表する機会のないまま過ごしてしまいました。
今回の個展ではギャラリー30周年記念の意味も含め、
すべて未発表の、初期の〈見晴らし台〉を中心に展示したいと考えています。
二木 直巳