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artist : SAKATA MINEO

坂田 峰夫


title : " チューリップ "



image size : 44.2x27.6cm
sheet size : 50.0x40.0 cm

original photogram


gelatin silver print
ゼラチンシルバープリント





2009年制作



 

 

¥95,000(額代別)

 

no.2339

 


作家略歴


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オリジナルフォトグラム

技法について 

フォトグラムは印画紙の上に物を置き感光させると、置いた物の形が白く残る技法である。この技法表現ではマン・レイ(Man Ray)のレイヨグラム、瑛九(EI-Q)のフォトデッサン、モホリ・ナギ(Laszlo Moholy-Nagy)などが有名だ。私のフォトグラムは透けるディテールを印画紙に焼き込んだものである。花や紙を光にかざすと裏と表、内側の繊維や細胞などが透けてみえる。透過する光を主とした直接的な技法で、それらを定着している。原理はX線写真や顕微鏡に似ている。フォトグラムは一般的な写真のようなネガはなく再プリントはできない。作品は絵画と同じように唯一のものなのだ。

写真は光によって成り立っている。そして写真はネガとポジで出来ている。オリジナルフォトグラムはモチーフを透過する光によって印画紙にシルエットとネガ像を焼き込む。人間の認識は曖昧で都合がよいので、焼き込まれたネガ像はある濃度を超え、ある条件が揃うと実像を作り上げる。フォトグラムの単なるシルエットに、特別な技術をさらに加え、透けないフォトグラムが特別な技法によりディテールをもったとき、不自然なネガ像やシルエット像は普通の自然な写真のようなものになる。この自然さは錯覚である。オリジナルのフォトグラムは、ネガともポジともいえない中間の図像なのだ。人間が見ているものはネガとポジの合わさった闇かもしれない。光はすべての物を視覚化させているのである。

 印刷物を使った作品はそのような中間的な像だが、このことよりも紙の裏と表が同時に焼き込まれていることが強調されている。もちろん同時に紙自体の中、つまり繊維も写っている。表と裏のイメージは偶然にひとつになるが、そのイメージは見えなかった裏側と内側によって思いもよらなかったことや、真実を強調することになる。裏と表と内側が同時に表現されるのは花も同じといえる。花はモチーフの性質から、内側と外側、中身と表面が強調されている。 写真は科学技術のひとつといえる。写真を使うとき技術や技法は無視できない。しかしアートは科学ではない。私の表現で最も大切なことは自然を観察し誤魔化さないことだ。それには自然に対して謙虚になること、そして、美しい事に対して素直になることなのだ。

坂田峰夫

 

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